荷動きの悪い荷物で倉庫が一杯になったら物流会社は潰れる

 
 
皆さんこんにちは。
 
 
 
今日は「保管」について書こうと思います。
 
前回、物流について簡単に書きました。
その物流の過程で、もし物流会社が「保管機能」をもっていなかったとしたら、どうなるでしょうか?
 
上記のような場合、もし輸送先の事情で受け入れ態勢が取れていなかった場合(営業時間外、空きスペース不足など)荷物を輸送することができなくなってしまいます。
輸送先が受け入れてくれなかったからといって、「そのまま外に商品を放り出す」なんてことは出来ないですよね?
 
以上のように、送り先が常に荷物を受け入れてくれるとは限らないため、物流会社は輸送業務を受託すると一旦、物流センター(倉庫)と呼ばれる場所に商品を「保管」します。
 
その倉庫ですが、仮に300坪の倉庫とします。
300坪の倉庫に荷動き出来ないくらい荷物を入れれませんよね。
当然、フォークリフトが通る通路も必要です。
また荷捌き場(荷物を仕分する場所)も必要です。
そうなると実際に使える坪数は半分位になるのです。
それでも保管スペースのみで契約しようと考える企業もいますが、そんな無茶な事は出来ませんよねぇ。
 
当然、フォークリフトや倉庫要員、荷物を載せるパレットや備品も加えると途方も無い費用が掛かります。
仮に坪あたり5千円で300坪を借りた場合、毎月倉庫家賃だけで150万円かかります。
倉庫を自社で借りる時には、敷金・保証料・不動産手数料など家賃の半年分以上の資金が発生します
 
それにフォークリフトのリース代やら倉庫要員・事務の人件費やシステムなど・・・
自社で物流を運営出来る大企業ならともかく、一般的な中小企業なら物流のプロに物流を任せた方が物流経費が明確で安くつきます。
商品の在庫管理や商品の責任範疇も明確になり、何より商品販売に集中出来るのです。
 
 
では、「保管料」についてご説明致します。
 
物流寄託契約にあたって、保管料の「料金体系」というものを最初に取り決めをするわけなのですが、いろいろな料金体系契約があるのです。
 
1坪あたりの「坪建て保管料契約」

1個あたりの「個建て保管料契約」

1㎥(立方メートル)あたりの「容積建て保管料契約」

1パレットあたりの「パレット建て保管料契約」

1tまたは1kgあたりの「重量建て保管料契約」
 
 
 
 
など、いろんな契約方法があるのです。
では、簡単に保管料金体系をご説明したいと思います。
 
 
 
1坪あたりの「坪建て保管料契約」は、月極めで1か月単位で保管契約する場合が一般的です。

荷捌き場やデススペース(通路)など含めて、200坪を5,000円/月でみたいな契約です。
この契約は、固定費/毎月のように決められた保管料です。
 
 
 
 
1個あたりの「個建て保管料契約」は、前回の「容積重量」というという考え方で料金を算出して保管契約をします。
 
まず最初に、1ヶ月分の保管料金を算出するにあたって「3期制」という倉庫業界特有の算出方法があります。
1ヵ月を1日~10日、11日~20日、21日~末日の3期に分けて、それらを合算させて保管料金を算出します。
 
保管料体系を「個建て保管料」でシュミレーションしてみましょう。
以下のように料金設定し、荷物の動きは以下の通りにします。

【 靴 1ケースを入庫料・出庫料・保管料1期各50円とした場合】

①前月度の繰越在庫10ケース

②3日と5日に各5ケース入庫

③7日に5ケース出庫

④10日の時点で15ケースの在庫

⑤在庫積数は20ケース

1期目だけの物流経費は下記となります。

入庫 10ケースX50円=500円
出庫 5ケースX50円=250円
保管料積数 20ケースX50円=1000円

合計:1750円

となります。
それを3期分算出すると1ヵ月の物流経費が算出されるという事です。
物流会社は、在庫数が変動するからこそ保管料は3期制を採用しています。
 

 
 
 
10日に入庫して、11日に出庫すると2日のみの保管であっても2期分となります。
逆に1日に入庫して10日に出庫となれば10日保管で1期分で済みます。
なかなか入出庫保管は思うように上手くいきませんが、倉庫業界特有の算出方法をご理解いただき運用していただけたらと思います。